財団法人関西情報センター 理事長 領木 新一郎

  新年明けましておめでとうございます。   平成9年の日本経済は、想像を超える激動の中にありました。株価の下落、消費税率ア  ップによる個人消費の冷え込みを中心とする景気の低迷、さらには、ビッグバンの予兆を  思わす金融機関の相継ぐ経営破綻は、わが国の社会・経済システムを激しく揺るがしまし  た。         しかしながら、こうした状況下にあっても、情報通信関連分野は成長拡大基調を持続し、 情報ネットワーク関連機器の96年生産額が自動車の生産額を上回るなど、情報関連産業 は着実に成長を続けております。LANやインターネット通信の需要の急速な拡大にとも ない、情報通信のインフラ整備は一段と進展し、なかでも、携帯パソコンと無線通信を組 み合わせたモバイルコンピューティングの活用は高度情報社会の本格的な幕開けを予感さ せます。さらに、4月にはPHSによるデータ通信が標準化されるとともに、携帯電話や PHSの加入が3000万台を突破するなど急激に増大し、また企業を中心にイントラネ  ットの構築が進み情報通信のパーソナル化、ネットワーク化も着実に進展しました。  5月に閣議決定された「経済構造の変革と創造のための行動計画」においても、15分野  の新規産業創出環境整備プログラムが示されましたが、とりわけ情報通信分野で今後の大  きな成長が期待されております。  このようななか、当財団では平成8年5月に、オール関西の体制で[Cyber Commerce  City」コンソーシアムを設立して以来、企業と消費者間のEC実証実験を推進してまいり  ましたが、この実験はハード・ソフト両面から、実用化に向けた大きな成果を上げて本年  3月に終了の予定であります。  また、昨年8月には、モバイルコンピューティングフォーラムを新たにスタートしまし  たが、これはフィールド業務とそれをサポートするオフィス業務を一体化したモバイルコ  ンピューティングに関する情報交換の場となるもので、参加企業にはビジネスチャンス創  出の機会として期待されております。  21世紀までいよいよあと3年。光通信技術や広帯域マルチメディア移動通信技術など  の創造的な研究開発により、マルチメディア社会はさらに進展するものと思われます。た  とえば、情報通信と家電が融合した情報家電が普及し、また携帯テレビ電話など超高速、  高品質な移動体通信システムの実現で、人はいつでも、どこでも、誰とでも自由にコミュ  ニケーションができるようになるでしょう。   21世紀に向けた情報通信技術の発展には夢があります。  本年は当財団においても、政策委員会の下に設置した企画部会を中心に、21世紀に向  けたビジョンづくりに取り組みます。産・官・学の連携を密にし、関西の高度情報化社会  実現に向けて積極的に取り組むとともに、大阪サミットや大阪オリンピックの招致実現に  向けた情報発信やインフラ整備のなかで、地域の活性化に貢献してまいりたいと考えてお  ります。  本年も当財団に対し、暖かいご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。