「IT投資の関西経済への影響」KIIS Quarterly 第1号

KIIS Quarterly 第1号

IT投資の関西経済への影響
(2008年7月31日発刊)

更新日 2009-12-14

KIIS Quarterly 第1号

IT投資の関西経済への影響

創刊号は、テーマを「IT投資の関西経済への影響」とし、2007年度に実施した「関西情報化実態調査」で得た調査結果やデータを用いて分析を行った、下記3編を収録しております。
テーマの視点としては、まずIT投資が本当に関西経済を活性化しているのか、という点です。これを公表されているマクロデータを使って確認しました。
次に、ミクロ的な視点から、個々の組織におけるIT利活用や情報セキュリティに対するCIOの果たしている役割です。CIO設置の是非、どのようなCIOが望ましいのかを分析いたしました。

これらの結果や調査、分析方法に対するご意見を電子メールにてお寄せ下さい。

1.関西経済とITの進展

 調査グループ 橋本恵子

IT産業は、全産業に比べて関西、国内共に総生産の伸びが高く、電子計算機製造や情報サービス業のようなコア産業だけでなく、デジタル融合が進む中で関連産業をIT産業化しながら、深さと範囲の双方で成長・拡大を続けている。
しかし、ITのツールは保有が目的ではなく、手段として、より効果的・効率的な事業運営のために用いられるのであり、それが達成できていてこそ、情報化が進展していると言える。
従って情報化の進展度の議論は、IT産業の量的拡大だけではなく、ITの利用による効果・効率という面からの分析が必要となる。
そこで情報化投資の経済成長、労働生産性への寄与の分析を行い、IT投資が経済成長や労働生産性の向上に寄与していることを確認した。


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2. CIOがIT利活用に果たす役割(自治体、上場企業)

 調査グループ 布施 匡章

関西地域の自治体と上場企業を対象として、CIOの設置やその能力、CIOの支援組織体制が、自治体や企業の情報化に与える影響を分析した。
当財団が行った「関西情報化実態調査2007」のアンケート調査データを用いて、IT利活用の観点から、アンケートデータよりIT利活用成熟度を主成分分析により指標化し、そのIT利活用指標と、CIOの有無やCIOが備える能力、CIOをサポートする体制等との関係を、統計的に分析した。
結果、自治体ではCIO個人の能力ががIT利活用の進展に寄与しており、支援組織の影響は限られた項目のみであった。一方、上場企業では、CIO個人の能力よりもCIOを支援する組織がIT利活用の進展に寄与しており、CIOと一体となった支援組織の必要性が確認された。


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3. 関西中堅・中小企業の情報化―CIO・公的支援の視点から

 総務企画グループ 久米 功一

関西地域の中堅・中小企業を対象として、CIO(最高情報責任者)の設置や情報化における公的支援が企業の生産性に与える影響を分析した。 具体的には、アンケート調査によって得られた、CIOの設置や公的支援の利用の有無、情報セキュリティ対策等に関する企業レベルのデータを用いて、変数間の関係に注意して統計的に分析した。その結果、CIOの設置は情報セキュリティを推進し、情報セキュリティは一人当たり事業収入を高める等の結果が得られた。ただし、分析に用いたデータの制約が大きく、企業属性のコントロールが十分できていないため、本稿の結果は限定的なものにとどまる。


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寄せられたご意見等

KIIS Quarterly第1号に対して寄せられたご意見を紹介いたします。

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※掲載した文章の責任は筆者個人の見解によるもので、財団や投稿者の組織に帰属するものではありません。
 KIIS Quarterlyは年4回の予定で発刊いたします。次回のテーマは「関西自治体の情報化の動向」です。